2009/05/03

井津建郎ーdreams come true

以前、こちらのメールにも書かせて頂きましたが、写真家の井津建郎様という一人の人間の熱い思いから、カンボジアの多くの人々の命が救われ、国に対しても大きな貢献をもたらしたその素晴らしいご活動からは、今の世の中に必要な慈愛の精神を私達に教えてくださると思い、ここにまた改めて書かせて頂きます。

井津様は訪問先のカンボジアで、こんなにも温かく素晴らしい人々が何故、貧しさに苦しまなければならないのかとその歴史を悲しみ嘆き、結核病棟にて出会った少女が、次訪れた時に亡くなっていたのをきっかけに、何とかしてこの国に良い環境を作らなければという思いから病院を建てる決意をなさいました。このお話を実際にその結核病棟の前でお話ししてくださったのですが、そこにいる患者さんは井津様のお陰で、辛い運命にあっても笑顔と優しさで溢れ、感謝の心を絶やす事無く輝いていました。Friends without a borderは世界中の大勢の方々による寄付を元に運営され、医師の育成から子供達の教育まで行っています。ニューヨークにて毎年開催されるチャリティーオークションでは、世界の著名な写真家の方々から作品が寄付され、昨年も不況に関わらず大きな功績を上げていました。そして、カンボジアのアンコール小児病院の10周年式典はご来賓の方々、病院のスタッフ等多くの方々に見守られる中開催されたのですが、これだけの多くの人々の心を動かし一つにする事が出来る井津様のお人柄と、支える方々の努力に本当に感動しました。
どんなに暗い現状でも、光り輝く明日へと変えて行ける、Dreams com trueと井津様はお話ししてましたが、本当に夢が叶えられる素晴らしい体験を拝見させて頂き、今の日本に必要な大きなchange、それは個々の心からのchangeによって現実問題を変えて行けるのだと言う信念を教えてくださいました。私達一人一人が、直面する医療•教育•環境問題に取り組んで行かなければならない責任と、皆で力を合わせてより大きな力に変えて行く大切さを深く感じました。力ある者が困っている者の手助けをする必要性、それはまた人として生きる喜びに繋がって行く価値あるものであることを学びました。
写真家という枠を超え、慈善活動を行う井津様が私宛に送ってくださった文章で、とても励まされ勇気を頂ける言葉をここで一部抜粋させて頂きます。アーティストとして活動して行く上で、迷い戸惑う事はつきものだと思いますが、その思いに閃光の様にきらめくお言葉でした。
"思えば、写真家を含めてアーティストというのは、自己表現と主張の塊のような人間たち(自分も含めて)のような気がしていましたが、皮肉にも、アートほど作り手と観る側それぞれの自己を超越したコミュニケーションの力をもつものは無いと思われます。とことん自我を貫いた果てに見えるもの、、、あるいはそこに初めて自我超越という境地が顕われるのでしょうか。アートが全ての国境を越えて人々に感動をもたらすことはご存知のとおりですね。Art can make a difference(アートが社会を変え得る)という言葉を信じて写真家をやってきましたし、カンボジアプロジェクトでは写真をコミュニケーション手段として使いなんとか成功してきましたが、もっと素晴らしいアートなら、もっと広がりのあるアートなら、もっともっと大きな変化をもたらすことができることでしょう。清水さんはじめ、これから才能が大きく伸びていく方々に大きな期待を持っています。がんばりましょう、Art can make a difference”を信じて。"
井津様の作品は大判のカメラを使用し100kgにも及ぶ機材を険しい山脈の中も運び、プラチナプリントという繊細で難易な技法を完璧に取り扱い、その作品は世界で認められ教本に載る程素晴らしく、写真を知らない者でも誰もが敬意を抱くものです。常にどこまでも謙虚で慈悲深い井津様に喜んで頂ける様に、私も一人のアーティストして頑張って行ければと思います。

井津様はインドで撮影したばかりの写真を制作中との事。新しい写真を通じて、今度はどんな事を私達に教え語りかけてくださるのでしょうか。とても楽しみにしてます。

私にとって、カンボジアという貴重な体験は、井津様の素晴らしいご活動の恩恵を受けての事と深く感謝してます。今回「視点」にて入賞した作品も、アンコール小児病院を建てようと決意なさった結核病棟にて撮った写真です。井津様との出会いは生涯の宝物です。

Art can make a differenceを信じて、皆様と共に頑張って行ければと思います。