2009/06/02

カリール•ジブラン

ニューヨークへ発つ前に木戸さんから頂いたとても素敵な詩を紹介させてください。
壁にぶつかった時に読み返す、魂に響く詩です。
皆にもどうか届きます様に。 

「友情について」   カリール・ジブラン

ひとりの青年が言った。友情について話してください。
すると、アルムスタファはこう答えた。

友とはあなたが求めているものへの答え。
友とは畑であり、あなたはそこに愛をこめて種をまき、収穫を感謝します。
友とは食卓であり、暖炉でもあります。
友のもとで飢えを癒し、心の平和を得るのです。

友が考えを語るときには、「それは違う」と言うことを恐れてはいけません。
「そのとおり」もためらわないように。
友が無口なときには、その心の声に耳を傾けてごらんなさい。
そこに友情があれば、言葉を介することなく、
あらゆる思い、あらゆる望み、あらゆる期待が生まれ、
分かち合われるでしょう。
派手な喝采など必要としないよろこびと共に。
友と離ればなれになることがあっても、悲嘆に暮れることはありません。
友の一番愛しているところは、
その人がいないときにこそよくわかるものなのですから。
ちょうど登山をしている最中より、
平野から眺めたときにこそ山の姿がよくわかるように。
友情とは魂を深め合うためのものであり、目的などあってはいけません。
愛そのものの神秘を露にすることだけを求めるような愛は、
決して愛などではなく、ただの投げ網。
そこには無益なものばかりがかかるのです。

友には最高の自分を捧げなさい。
友にはあなたの潮の干満を知らせなさい。

ただ時間をつぶすためだけの友を求めるのなら、いったい友とはなんでしょう?
どんなときも時間を生かすための友を求めなさい。
友とはあなたの求めを満たしてくれるものであり、
空虚を満たすものではありません。
甘美な友情のなかで笑い合い、よろこびを分かち合えますように。
ほんのちょっとした出来事の露のなかに、
心はさわやかな朝を見つけるのですから。


 「結婚について」   カリール・ジブラン  

師よ、結婚とは何でしょう。
師はおっしゃいました。
君たちの魂は一緒に生まれたのですから、いつまでも一緒にいることでしょう。
死の白い翼が君達の生涯を離れ離れに散らせてしまってもやはり一緒におりましょう。
そうです。君達は神の沈黙の記憶の中でさえ一緒にいることでしょう。
けれども君達の「一緒」の間には隙間がなければいけません。
君達の間を天国の風が踊って吹きぬけなければいけません。

お互いに愛し合いなさい。でも愛のきずなをつくってはいけません。
君達の魂の岸辺と岸辺の間には、波のうねる海があるようにしておきなさい。
お互いの杯を満たしなさい。けれども一つの杯で飲んではなりません。
お互いに君達のパンを分かち合いなさい。
でも同じ塊のパンに一緒に口をつけてはいけません。
一緒に歌い踊りよろこびなさい。でもお互いは別々の人なのです。
リュートの沢山な弦は同じ音楽をかなで出しますが、皆一本一本、別の弦です。
君達の心を与え合いなさい。
でもお互いの手の中に包みこまれてはいけません。
生命の手だけしか、君達の心を包みとることは出来ないからです。
一緒にお立ちなさい。でもあまり近くにくっついて立ってはなりません。
寺院の柱は皆離れて立っていますし、
樫の木やいと杉はお互いの木蔭の中では大きくならないものなのです。