急な死を受け入れられずに戸惑うくまくんは友人の亡がらをお花で飾り、箱に入れて肌身離さず持ち歩きます。出会う森の動物たちに見せても、忘れて乗り越えないとと言われるばかりで、止まってしまった時間の中一匹だけ取り残されてしまっている孤独感に苛まれます。
そこで、初めて出会う友人から音楽を教えられ、再びくまくんの時間は光に包まれ動き出します。美しいモノクロの絵と切ない内容に悲しみが溢れ、思わず涙が出てしまいますが、小さな光が心の中に灯る様な温かい絵本です。子供から死について聞かれると、難しい事を言っても伝わらないし、大人は何も言えなくなってしまう事が多いと思います。本当の死後の世界はその時にならなければ分かりません。でも、残された者が生きて行くための力を教えてあげなければならないと思います。そんな時に読み聞かせてあげたい絵本です。