2010/04/23


今月の美術手帖は大大大好きなフォトグラファーのティルマンスとエグルストン.
ティルマンスは何と言っても、憧れの人。潔くてカッコイイ。写真を社会的・政治的・科学的な理論を踏まえ、抽象表現へと新たな次元に高めた一人。リヒターの絵画やケージの音楽に通じる、既存の表現方法を超え現実に問題を投げかけ続ける優れた視点は、次は何を打ち出してくるのだろうと待ち遠しくなる。
エグルストンはニューカラーを打ち出しただけでなく、写真の視点に大きな影響を与えた。それまで見過ごしていた日常のたわいない物や不安定な要素を、儚い生の美しい生々しい産物として独特な色彩感覚を交えながら見るものを問いただした。当初、美術界は"こんなの写真ではない!"と大バッシングをするものの、彼の独自の光と影の捉えは多くの人を魅了し、人気を博した。南部育ちの影響から、彼の写真はアメリカの抱える矛盾や葛藤をユニークな見方で切り取る事が出来た。原美術館にて日本初個展も行われる。エグルストンが日本初個展とは、かなり驚き。。写真愛好家がもっと増えないものかと願う。。。